【感想・ネタバレ】彼は、英雄とは呼ばれずに【キャラの深堀りが素晴らしいWEB小説レビュー】


Youtubeに投稿した動画の内容をぎゅっとまとめてご紹介するコーナーです!

情報

作品名:彼は、英雄とは呼ばれずに
原作者: トド(Twitter:@todochan5)

小説投稿サイト「小説家になろう」にて2020年3月より連載開始。(作品はコチラ)

その他、様々なサイトで掲載されている作品です。

以前、1話毎にあらすじと感想を述べていった作品のまとめ動画になります。

詳しく知りたいという方はコチラもどうぞ!

あらすじ

2週間前から通り魔事件が毎夜起こっている「ナイム」という街。

「冒険者」という、今では「なんでも屋」のようになっている職業の見習いである「ジェノ」は、

ギルドからの依頼で、自警団と共に警らをしつつ犯人を探していた。

そんなある日、路地裏から血なまぐさい臭いとともに何かいる気配を感じ、こっそりと忍び寄ると、

そこには蜘蛛のようにいくつもの眼を持つ2mほどの巨大な猿の姿があった。

感想

物語の流れだったり、キャラそれぞれの個性もしっかりあって、非常に読みやすく楽しかったです!

戦闘シーンも分かりやすく、動きが想像しやすかったです!

1章は通り魔事件の解決なんですが、事件自体は結構簡単に解決しちゃうんですよ。

その事件の裏側にあった出来事、みたいなお話がほとんどです。

じっくりと、主要キャラの背景や性格というのが分かるかと思いますよ。

作者自身、この作品の見どころとして「キャラの心理描写や構成」を上げているので、力を入れているのが分かります。

1話ではジェノの相方的存在の「イルリア」の主観から物語が始まりました。

ですから、てっきりイルリアが本作の主人公なのかと思って読んでいたのですが、どうやら違う感じがして混乱しちゃいました。

1人称視点で書かれているのはここと、イルリアの回想だけなんですよ。

せっかくなので、作者のトド様に、どうして一部分だけ一人称なのかとお聞きした所・・・

「最初の話で、ジェノと同じように過去描写があるので、そこを注目してもらうためです」

「それと、最初の部分で主人公が誰であるのかをぼやかしたかったので、イルリアの一人称で書き始めています」

「ジェノが一人称でない理由は、話の構成上、過去の話が続くので、単調にならないためです」

ということらしいです!

読者のことを考えて書いてくれているようです。読者を飽きさせない工夫は素晴らしいです。

確かに主人公が誰なのか分からない感じですね!

ジェノが主人公だとすると、それを見る他人視点で物語を書けば、三人称視点では書きづらい感情等は書きやすくて良いですね!

一人称視点で書かれていると、主人公の姿に対しての描写ってほぼないのですが、

ガラスに映る自分の姿を描写して、今の感情を示すと同時に、主人公の姿の説明をする

という手法は良かったです!

しかし、どうでも良いキャラというか、あまり重要ではないキャラは容姿の詳しい描写や名前すらないです。

ジェノに通り魔退治を依頼した子どものおばあさんとか、回想に出てくる人達とか。

回想に出てくる人達はそこで終わりなので良いかもしれませんが、おばあさんは結構出てくるんですよ。

それに、おじいさんの方はしっかり名前が出てるんです。

扱いが全然違うなーって思いました。

他は、物語的に気になった部分として、ジェノは以前にもキモい大猿に出会った事があるようなんです。

それは、大猿の行動パターンを知っていた事から分かります。

なんで知っていたのか、というのは今後の伏線でしょうから何も問題は無いのですけれど。

大猿の性質なんですよね、問題は。

最初に遭遇した時、背中から生えてきた腕を切り落としたんです。

背中から腕!?と思うでしょうが、気持ち悪いことに、腕が生えてくるんです。

トライガンのラズロかな?って最初思っちゃいました(汗)

それは置いときまして。

切り落としたのにも関わらず、再戦時にまた腕が生えてきていたんです。

驚異の回復力じゃないですか?すごくない?

すごい回復力なのに、戦闘中は全然回復しないんですよ。

なんで?腕を回復させられる程の【回復】みたいな能力があるんじゃないんですか?

トカゲやカニみたいに脱皮すれば腕が元に戻るのかも知れませんが、猿ですしねぇ・・・。

きっと恐らく、何度もこの大猿とは戦っているから、ジェノは何も感じないのでしょうが、

私達は初めて見るんですし、なんかもう少し分かりやすい表現というか、矛盾じゃないような描写をして欲しかったです。